項の数が増えても手順は変わらない。

(1) 式を項に分ける $$2x^2\ \vdots\ +3xy\ \vdots\ +4x$$
(2) 項を因数に分ける $$2 \times x \times x\ \vdots\ +3 \times x \times y \ \vdots\ +4 \times x$$
(3) すべての項に共通する因数はないか? $$2 \times {\color{red}x} \times x\ \vdots\ +3 \times {\color{red}x} \times y \ \vdots\ +4 \times {\color{red}x}$$
(4) 共通因数をカッコの外に配置する $${\color{red}x}(\hspace 2em\vdots\hspace 2em\vdots\hspace 2em)$$
(5) \({\color{red}x}\) を分配すると\(2x^2+3xy+4x\) ができるように括弧の中を補う \({\color{red}x}(\) \(2x\) \(\vdots\) \(+3y\) \(\vdots\) \(+4\) \()\)
(6) 因数分解完成! \(x(\) \(2x+3y+4\) \()\)

\(2x^2\) と \(+4x\) の \(2\) と \(4\) はどちらも\(2\)の倍数なのに、くくり出さなくていいのか疑問に思う人がいるかも知れない。「くくり出すのはすべての項に共通する因数」だという点に注意しよう(さもないと、展開したときに元の式に戻らない)

さあ、これで「問題演習」メニューの「因数分解」の、「アソート」「問1」にチャレンジする準備ができた。問1は3つの項からできている式ばかりなので、ちょっと難しめ。しかも、(3)、(4)の問題は共通因数としてくくり出す文字が1文字とは限らないという問題になっている。とはいえ基本は同じ。項に分け、共通因数を慎重に見極めれば因数分解することができる。

なお因数分解では、カッコの中に残った式の \(x\) の係数が正の数になるように分解していく習慣がある。例えば、\(-2x+2y\) を因数分解するなら、\(2\)でくくって

$$-2x+2y=2(-x+y)$$

とするのではなく、\(-2\)でくくって

$$-2x+2y=-2(x-y)$$

とする、ということだ。符号の変化に戸惑った人は、因数分解した式を展開してみるとよくわかる。カッコの中を埋めていくときは、「展開すると元の式ができるように」考えると楽だ。問題演習はコンピュータがその場で作成しているので、くくり出す数が負の数になる問題もある。気を付けながら実力をつけて行こう。